【プロ解説】冷蔵冷凍車の種類・温度帯・選び方|中古購入のポイントも解説!

食品配送や医薬品輸送など、温度管理が必要な荷物を運ぶために欠かせない冷蔵冷凍車。
本記事では、冷蔵冷凍車の基本的な仕組みから温度帯による種類の違い、冷凍機の駆動方式の特徴、そして中古車の購入ポイントまで、実務に役立つ情報を分かりやすく解説します。
バディトラックでは豊富な中古 冷蔵冷凍車の取扱実績があり、購入後すぐに現場投入できる車両を多数ご用意しています。
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冷蔵冷凍車とは?保冷車との違いと基本的な仕組み
冷蔵冷凍車は、食品や医薬品など温度管理が必要な荷物を安全に運ぶため、積荷を一定の低温に保ちながら輸送できる特殊車両です。
【この章で解説する内容】
・冷蔵冷凍車の基本構造と温度維持の仕組み
・保冷車との決定的な違い
・8ナンバー登録と貨物登録の違い
8ナンバー登録と貨物登録の違い、これらの基本を理解することで用途に合った車両選びが可能になります。

冷蔵冷凍車の基本構造と温度維持の仕組み
冷蔵冷凍車の上物(うわもの)は、主に断熱パネル、冷凍ユニット、温度制御装置で構成されます。
荷台(庫内)に使われる断熱パネルは、発泡ウレタンやポリスチレンフォームなどを芯材とし、アルミやFRP(繊維強化プラスチック)で表面を保護するサンドイッチ構造です。このパネルが庫内の冷気を逃がさない役割を果たします。
冷凍ユニットは、主にコンプレッサー、コンデンサー、エバポレーターで構成されます。冷媒という特殊な液体を循環させ、庫内の熱を吸収して外部に放出する仕組みです。
温度制御装置は、庫内の温度を常に監視し、設定温度より上がると自動的に冷凍機を作動させます。これにより、配送中も安定した温度管理が可能です。
保冷車との決定的な違い
保冷車は断熱パネルのみで冷凍機を持っていないため、温度上昇を緩やかにする機能しかなく、冷やすことができません。いわばクーラーボックス的な役割です。
冷蔵冷凍車は冷凍機で荷物を冷やし続けられるため、長距離輸送や外気温が高い夏場でも確実な温度管理ができます。
保冷車は、短時間で配送が完了する用途に向いており、冷蔵冷凍車は、長時間輸送に向いています。
8ナンバー登録と貨物登録の違い
冷蔵冷凍車は特殊用途自動車として8ナンバー登録されます。
8ナンバー登録の構造要件は以下の通りです。
【冷蔵冷凍車としての登録の要件】
1.運転室と荷室が隔壁で完全に仕切られている
2.冷凍または冷蔵装置を搭載している
3.荷台内の水が漏洩や飛散しないようになっている
4.冷蔵冷凍装置が車両の動力源、もしくは搭載している設備等で作動できる。
5.乗員の乗降以外の適切な開口部がある、積卸口がある
引用:国土交通省「自動車の用途等の区分について(依命通達)」の細部取扱いについて
8ナンバー車両は、税金関連や保険関連の区分が異なりますので、登録地域の陸運局などで確認しましょう。
保冷車は冷凍機を持たないため、通常は貨物登録(1・4ナンバー)となります。
冷蔵冷凍車の種類と温度帯による使い分け
冷蔵冷凍車は、業界では3つのタイプに分類されます。
【この章で解説する内容】
・低温冷凍車(-30℃~-20℃)の特徴と用途
・中温冷凍車(~-5℃)の特徴と用途
・冷蔵車(~5℃)の特徴と用途
温度帯はあくまで目安となりますが、違いを理解することで輸送品目に最適な車両を選べます。

低温冷凍車(-30℃~-20℃)の特徴と用途
低温冷凍車は、外気温35℃の真夏でも庫内約-20℃を維持できる冷却能力を持つ車両もあります。
低温冷凍車の主な特徴は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 温度帯 | -30℃~-20℃程度 |
| 主な用途 | 冷凍魚介類・冷凍食品・アイスクリーム |
| 断熱パネル | 厚さ100mm程度 |
| 冷凍機 | 2コンプレッサー仕様が多い |
車両価格は中温・冷蔵車より高くなる傾向にありますが、高付加価値な商品を扱う事業では必須の装備です。
中温冷凍車(~-5℃)の特徴と用途
中温冷凍車は、コンビニエンスストアへの配送、食品の宅配サービス、給食センターへの食材配送・精密機械・植物の運送など広く利用されます。
低温冷凍車より冷凍機の負荷が小さく、燃費面でも有利です。
初期投資と運用コストのバランスが良く、食品配送業への新規参入に適した温度帯といえます。
冷蔵車(~5℃)の特徴と用途
冷蔵車は、生鮮野菜、鮮魚、乳製品、医薬品の輸送に適しています。
冷凍車と比較して冷凍機の負荷が軽く、燃費性能に優れます。
冷却に必要な電力消費が少ないため、長時間の配送でもランニングコストも抑えられます。
必須となる温度管理基準(HACCP・GDP)
冷蔵・冷凍車の温度設定は輸送品目によって異なります。
食品輸送時のトラックの温度管理は厚生労働省のHACCP手引書に基づく温度管理基準を参考に自社で基準を定める必要があります。(原則としてほとんどの食品事業者が対象)
参考:厚生労働省|HACCPに沿った衛生管理
一般的な医薬品輸送では、GDPガイドライン(医薬品の適正流通基準)に基づき、輸送中の温度履歴の保存が求められます。
そのため、医薬品配送を行う際は、温度ロガー対応車両や記録機器を用いて確実に記録を管理しましょう。
参考:厚生労働省|医薬品の適正流通(GDP)ガイドラインについて
冷蔵冷凍車の駆動方式2種類を解説
冷蔵冷凍車の冷凍機駆動方式には、主にエンジン動力を利用する直結式と、独立したエンジンで冷凍機を動かすサブエンジン式の2種類があります。
【この章で解説する内容】
・直結式のメリットと適した用途
・サブエンジン式のメリットと適した用途
・運用コストから見た選択基準
駆動方式の違いを理解することで、運用に適した車両を選べます。

直結式のメリットと適した用途
直結式は、車両価格が安い傾向にあり、小型(2t)・中型(4t)冷凍車に適しています。
市街地配送で頻繁にエンジンをかけて走行する用途に適しており、宅配便や飲食店配送など、停車時間が短い運用で選ばれます。
直結式のメリット・デメリットは以下になります。
【直結式の主なメリット】
・車両価格が比較的安い
・小型(2t)・中型(4t)冷凍車に適している
・構造がシンプル
・一般的には燃料効率がいいとされている
【直結式の主なデメリット】
・エンジン停止時は冷却不可
・長時間停車時はアイドリング必要
・走行状態で冷却能力が変動
・荷積み中の温度上昇リスク
直結式は走行中の冷却能力が高く、配送ルートが決まっている定期便に向いています。
サブエンジン式と比較して車両価格が安いため、初期投資を抑えたい個人事業主に適した方式といえます。
サブエンジン式のメリットと適した用途
サブエンジン式は、車両エンジンを停止しても専用エンジンで冷凍機を動かし続けられるため、荷積み・荷下ろし中も温度変化を最小限に抑えられます。
サブエンジン式の特徴を以下にまとめます。
【サブエンジン式の主な特徴】
・走行状態に関わらず安定した冷却
・荷積み・荷下ろし中も温度維持可能
・スタンバイ機能で外部電源使用可能
・車両エンジンへの負荷が少ない
・燃料消費量が多くなる
・中型(4t)・大型(10t)が一般的
サブエンジン式は、車両エンジンの回転数や走行状態に影響されず、常に安定した冷却能力を発揮します。渋滞や停車が多い配送でも、冷却能力が低下しにくいこともポイントです。
さらに「スタンバイ装置」と「スタンバイケーブル」があれば外部電源を使用して冷凍機を稼働させることができます。
最大のメリットは、エンジンを完全に停止して冷却できること、騒音や排気ガスをゼロにできることです。これにより、動作音が大きいサブエンジン式では難しかった夜間の住宅街や、アイドリング禁止の待機場所でも、周囲に迷惑をかけずに温度管理を継続できます。
サブエンジン式の価格はやや高い傾向にありますが、冷却の十分な出力を確保でき、温度管理の安定に優れています。
運用コストから見た選択基準
直結式は車両価格が安い反面、エンジンアイドリング時の燃料消費があります。
サブエンジン式は価格が高いものの、長時間運行では燃費面で有利になる場合もあり、運行パターンで判断が必要です。サブエンジンは車両エンジンのアイドリングより燃料消費を抑えられるケースがあります。
運用コストなどの比較目安は以下の通りです。
| 項目 | 直結式 | サブエンジン式 |
|---|---|---|
| 車両価格 | 比較的安い | 比較的高い |
| 運行時間(積卸時間) | 短時間運行 | 長時間運行 |
| 停車時の冷却 | アイドリング必要 | サブエンジンで冷却可能 |
| メンテナンス費 | 安い | やや高い |
長距離輸送や長時間稼働が中心の運用では、サブエンジン式の方が長期的なコストメリットが出る場合があります。逆に、市街地配送で短距離・短時間の運行が中心なら、直結式の方が総合的に有利です。
冷蔵冷凍車の主要メーカーと冷凍機メーカー
国内の冷蔵冷凍車市場では、トラックのメーカーと搭載する冷凍機の性能が車両選びの決め手となります。
【この章で解説する内容】
・小型・中型・大型トラックの主要車種
・主要な冷凍機メーカーの特徴
・軽冷蔵冷凍車の主要車種
メーカーや冷凍機の性能を理解することで、運ぶ荷物や事業に適した車両を選べます。

【小型・中型・大型】トラックのメーカー主要車種
| メーカー | 小型 | 中型 | 大型 |
|---|---|---|---|
| いすゞ | エルフ | フォワード | ギガ |
| 日野 | デュトロ | レンジャー | プロフィア |
| ふそう | キャンター | ファイター | スーパーグレート |
| UDトラックス | カゼット | コンドル | クオン |
主要な冷凍機メーカーの特徴
中古冷蔵冷凍車選びでは、トラック本体だけでなく冷凍機メーカーも確認しましょう。メーカーによって保冷性能やメンテナンス性に違いがあります。
【主要な架装・冷凍機メーカー】
| メーカー | 特徴・強み |
|---|---|
| 東プレ | シェアNo.1 「冷凍車といえば東プレ」と言われるほど信頼性が高い。保冷性能が良く、食品配送の定番。 |
| 菱重コールドチェーン (三菱重工) | 冷却パワー 設定温度まで冷やすスピードが速い。特に中型・大型の「サブエンジン式」で評価されている。 |
| サーモキング | 世界的なブランド 強い冷却パワー、燃費効率の高さや耐久性も評価されている。 |
| デンソー | 精密な温度管理 故障が少なく、温度ムラができにくい。医薬品や精密機器の輸送で選ばれることが多い。 |
冷蔵冷凍車は、トラック本体と「冷凍機の性能」の組み合わせが重要です。
配送する荷物の種類や走行距離に合わせて、最適な組み合わせで選ぶようにしましょう。
とくに中古車市場では、オーナー様のこだわりで架装された「一点もの」が多く出回ります。 バディトラックでは、プロの視点で厳選した冷蔵冷凍車を多数取り揃えています。
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軽冷蔵冷凍車の主要車種
軽冷蔵冷凍車では、ダイハツハイゼット、スズキキャリイ、日産クリッパーなどが主力です。
中温仕様(-5℃程度)と低温仕様(-25℃程度)があり、軽貨物配送の個人事業主がEC物流や宅配クール便で使用する際、配送エリアと荷物の温度帯で選びます。
以下は軽冷蔵冷凍車の主な特徴です。
| 項目 | 内容 |
| 積載量 | 約350kg |
| 一般的な温度帯 | 中温(-5℃程度)・低温(-25℃程度) |
| 主な用途 | 宅配・EC物流・飲食店配送 |
| 免許 | 普通免許で運転可能 |
最大のメリットは小回りが利き、個人宅や入り組んだ商店街などの配送に適している点です。また、普通免許で運転でき、維持費が安いため、小規模個人事業主の開業初期に選ばれます。ただし、積載量が限られるため、1回の配送件数が少なくなります。
中古冷蔵冷凍車の購入時チェックポイント
中古冷蔵冷凍車の購入では、通常のトラック以上に慎重な現車確認が必要です。「冷えればいい」と安易に判断すると、購入後に高額な修理費用が発生するリスクがあります。
【この章で解説する内容】
・車体と架装を分けて確認する
・走行距離と年式から見る購入判断
・断熱パネルと荷室内装の確認ポイント
適切なチェックポイントを押さえることで、購入後のトラブルを防げます。

車体と架装は「別物」として確認する
中古の冷凍車・冷蔵車選びにおいて最も重要なのは、「車体と架装(冷凍機)は別物として見る」ことです。
中古トラック市場には、架装だけを積み替えて使用されてきた車も少なくありません。その場合、以下のようなギャップが生じている可能性があります。
・車体は新しいが、架装は古く酷使されている
・冷却装置は正常だが、車体が劣化している
そのため、車両全体の年式だけを見て判断せず、「車体の状態」と「架装の状態」を切り離して確認することが重要です。
冷却装置の動作確認
冷却装置で最優先すべきは、「設定温度まで確実に下がるのか」です。
サブエンジン式なのか直結式なのか、そのうえでその機能に問題ないかをチェックしていきます。
スタンバイ装置が装備されている車両であれば、スタンバイコードが正常に電力を供給できるかも、確認するようにしましょう。
整備記録とメンテナンス履歴
車両本体の点検・整備記録のほか、「冷凍機のメンテナンス記録」が確認できればより理想的です。冷凍機独自の日常点検や、ベルト・オイルなどの消耗品交換が定期的に行われていたかが分かれば、リスクを見極める大きな安心材料になります。
断熱パネルと荷室内装の確認ポイント
断熱パネル接合部のコーキング劣化や、床面の腐食・たわみを確認します。
床材は、ステンレスまたはアルミ縞板が基本で、床材に凸凹の形状をしたキーストンを使用していると冷気がムラなく循環し、床の強度アップにもつながります。
以下は庫内確認時の主なチェック項目です。
【庫内確認の主なチェック項目】
・壁面の亀裂・穴の有無
・ドアパッキンの劣化状態
・床面の腐食・たわみ
・庫内照明があれば作動確認
・異臭の有無(魚臭・薬品臭)
・結露やカビの痕跡
断熱パネルに穴や亀裂があると、冷気が漏れて冷却効率が大幅に低下します。特に床面は積載物の重量で劣化しやすく、内部床材が木製の場合は腐食が進んでいないか入念に確認しましょう。床の沈み込みは下地の腐食を示すため、購入には注意が必要です。
ドアパッキンの劣化は冷気漏れの原因となり、冷凍機の負荷増大につながります。ドアパッキンは消耗品ですが、破損や劣化が見られる場合は交換が必要です。
劣化状況を購入前に把握することをおすすめします。
まとめ
冷蔵冷凍車は、温度帯と駆動方式により、輸送する荷物や運行パターンに応じた選定が必要です。
トラック本体のメーカーと冷凍機メーカーの組み合わせで、事業規模や用途、車両サイズに応じて、軽冷蔵冷凍車から大型車まで選択肢があります。
中古車購入では、断熱パネルの劣化状態、床材の仕様、ドアパッキンの状態など、細部まで確認することで購入後のトラブルを防げます。
走行距離だけでなく、定期点検や冷凍機のメンテナンス記録がある車両であれば購入の安心材料となります。

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