【決定版】平ボディ用シートの種類・選び方・掛け方・たたみ方|現場のコツを解説

平ボディトラックを運用する上で欠かせないのが、荷台を保護するトラックシートです。雨風から積荷を守り、高速道路での荷物落下を防ぐシートは、ドライバーにとって必須の装備品といえます。
しかし、平ボディトラックを初めて扱う方や、トラック購入を検討中の方は「どんなシートを選べばいいのか」「正しい掛け方がわからない」といった悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。
シート掛けやシート外し作業には、とても気を使い、労力と時間を消費します。シートの素材選定を誤れば無駄なコストがかかり、サイズが合わなければ作業効率が落ちます。
今回は、平ボディトラックの取り扱いを通じて現場で培ったノウハウをもとに、平ボディ用シートの基礎知識から素材別の特徴、車両サイズに合った選び方、正しい掛け方まで、実運用で役立つ情報を解説します。ぜひ参考にしてください。
平ボディ用シートの役割と重要性

平ボディは荷台がオープンな構造のため、シートが積荷保護の要となります。
シートが果たす役割は単なる雨よけにとどまらず、安全運転と法令遵守の両面で必要です。
【この章で解説する内容】
・積荷を雨風から守る防水機能
・高速道路での荷物落下を防止
・盗難や破損から荷物を保護
これらの役割を理解することで、適切なシート選びにつながります。

積荷を雨風から守る防水機能
シートの最も基本的な役割は、雨や風、直射日光から積荷を保護することです。
防水性の高いエステル帆布やターポリン素材は、輸送中の天候変化にも対応可能です。特に長距離輸送や梅雨時期には、シートの防水性能が荷物の品質維持に直結します。
電化製品や紙製品、食品など水濡れ厳禁の荷物を運ぶ際は、シートの状態確認が必要です。経年劣化で防水性が低下したシートでは、小雨でも浸水するリスクが発生します。
また、防水だけでなく直射日光による荷物の変色や劣化を防ぐ役割も果たします。
高速道路での荷物落下を防止
高速道路走行時の荷物飛散は、重大事故につながる危険性があります。
必ずシートとロープで積荷を確実に固定し、風圧や振動による荷崩れや荷物の飛散を防止しましょう。
道路交通法(第75条の10)では、積載物の転落防止措置が義務づけられており、国土交通省の「貨物自動車運送事業輸送安全規則」でも、積載物が運搬中に荷台から落下しない措置を講じることが求められています。
シートなどの転落防止措置をせず荷物が落下した場合、運転者には罰則が科されるだけでなく、落下物による後続車の事故では、損害賠償責任を問われる可能性もあります。
盗難や破損から荷物を保護
平ボディはウイング車やバン型と異なり、鍵で施錠できない構造です。
シートで荷物を覆うことで外部からの視認性が低下し、盗難リスクを軽減できます。特にパーキングエリアや路上での長時間停車時には、荷物の種類が見えないことが窃盗の抑止力となるでしょう。
また、シートで荷物を外側から包み込むことで、積荷を安定させる効果があります。輸送中の振動による荷崩れを防ぎ、商品の破損リスクを軽減できます。
平ボディ用シートの素材と種類
トラックシートには「エステル帆布」「ターポリン」「PVCシート」などの3種類の素材があり、それぞれ特性が異なります。素材選びは耐久性とコストに直結するため、使用頻度に応じた選定が必要です。
【この章で解説する内容】
・エステル帆布の特徴と号数の違い
・ターポリンシートの特性
・PVCシートとその他の素材
素材の違いを理解することで、運用コストを抑えながら最適なシートを選べます。

エステル帆布の特徴と号数の違い
エステル帆布はポリエステル短繊維に塩ビを含浸させた素材で、トラックシートとして最も普及しています。優れた防水性と適度な柔軟性を兼ね備え、繰り返しの使用にも耐える耐久性が特徴です。
号数は3号から6号まであり、数字が小さいほど厚手で耐久性が高くなります。一般的な運送業務では、バランスの取れた5号が広く使用されています。重量物や建設資材の運搬など、高い強度が求められる場合は4号が選ばれるでしょう。6号は軽量で扱いやすいため、2tトラックや軽トラックに適しています。
エステル帆布の耐用年数は使用環境により異なりますが、一般的には約5年が目安です。ただし毎日使用する場合は劣化が進みやすく、交換時期はそれよりも早まるでしょう。
ターポリンシートの特性
ターポリンはポリエステル長繊維にラミネート加工を施した素材です。
エステル帆布より軽量で価格も安価なため、初期コストを抑えたい場合に適しています。
軽量性は作業効率の向上につながります。シート掛けの際、荷台への持ち上げが楽になり、ドライバーの負担を軽減できるでしょう。高齢のドライバーや女性ドライバーにとって、軽さは大きなメリットです。
ただし、繰り返しの摩擦に弱く、シートのバタつきで繊維が剥離する特性があります。高速道路での長距離運行が多い場合は、耐久性の高いエステル帆布を選ぶ方が長期的にはコストを抑えられます。
PVCシートとその他の素材
PVC(ポリ塩化ビニール)シートは1972年〜製造された歴史の長い素材です。
汎用性が高くいたるところで利用されています。
用途も幅広く軽量かつ強度があり、耐久性・耐水性・耐候性に優れています。
以下は用途に応じた特殊素材の例です。
| 素材 | 特徴 | 適した用途 |
| 綿帆布 | 通気性が高い | 農産物輸送 |
| メッシュシート | 飛散防止 | 軽量物・廃材運搬 |
| 防炎シート | 難燃性 | 危険物輸送 |
農産物輸送では、通気性が必要なため綿帆布が選ばれます。野菜や果物は密閉すると蒸れて傷むため、適度な空気の流れが品質維持に必要です。
平ボディのシートサイズ選定と車両別計測方法
シート選びで最も重要なのが、車両の荷台サイズに合った適切なサイズ選定です。荷台と同じサイズでは固定できず、大きすぎるとたるみが発生します。ここでは車両サイズ別の計測方法と選定のポイントを解説します。
【この章で解説する内容】
・車両サイズ別のシート寸法目安と計測方法
・用途別シート素材の選定ポイント
・在庫状況の確認と納期の考え方
正しい計測方法を知ることで、購入後すぐに最適なシートを段取りできるでしょう。

車両サイズ別のシート寸法目安と計測方法
平ボディトラックは2t(小型)、4t(中型)、10t(大型)それぞれ異なる荷台寸法があるため、実車での確認が必要です。
一般的な平ボディの荷台寸法の目安については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
計測時は荷台外寸にかぶり長さを加算します。一般的な目安として、左右各30cm、後部50cm程度の余裕を見込みます。
例えば荷台幅が2.0mなら、シート幅は2.6m(2.0m + 0.3m × 2)程度が目安です。
【ワンポイント】積荷の高さを忘れずに!
シートの寸法決めで忘れがちなのが、積荷の高さを考慮し忘れることです。背の高い荷物や荷物の重ね積みをすることが多いのであれば、その分の長さが必要です。平面だけでなく立体で考えましょう。
鳥居付き車両の場合は、鳥居を覆う長さも追加が必要です。シートキャリア(シートを収納する架台)が鳥居上に設置されている場合は、キャリアとの干渉を考慮した長さを確保する必要があります。
用途別シート素材の選定ポイント
一般的な運送業務ではバランスの取れた5号エステル帆布が広く使用されます。
耐久性と扱いやすさのバランスが良く、日常的な配送業務に最適です。
重量物や建設資材など高い強度が求められる用途では、鉄骨や機械部品など積荷の角が鋭利な場合が多く、厚手を使用しシートの破損を防ぎます。
複数台運用では同一規格に統一することでメンテナンスの効率化が可能です。予備シートの共用が可能になり、在庫管理の手間も削減されます。
以下は用途別の素材選定例です。
| 用途 | 推奨素材 | 理由 |
| 一般貨物輸送 | 5号エステル帆布 | バランスが良い |
| 建設資材運搬 | 4号エステル帆布 | 高強度が必要 |
| 農産物輸送 | 綿帆布・メッシュ | 通気性確保 |
在庫状況の確認と納期の考え方
標準サイズは在庫がある場合、即納対応が可能です。2t車用、4t車用のサイズなど、需要の多いサイズは販売店で常時在庫を持っています。
特殊サイズやペケット付きなどは受注生産となることが多く、納期は1~2週間程度かかる場合があります。
ペケットとはトラックシートの中間部に縫製して取り付けられる補助部材です。走行中のシートのバタつきを防止し、荷物への密着度を高めて輸送中の安定性を向上させます。
年度末(2~3月)や繁忙期前(9~10月)は注文が集中する傾向があり、この時期は在庫切れや納期遅延が発生する可能性があるため、余裕を持った発注が推奨されます。
平ボディへのシート掛け手順と注意点
シート掛けは平ボディ運用の基本作業ですが、正しい手順を踏まないとシートの破損や積荷の損傷につながります。準備段階から固定方法まで、安全かつ効率的な作業手順を解説します。
【この章で解説する内容】
・掛け作業前の準備とチェック項目
・シートを均等に広げて固定する方法
正しい手順を身につけることで、労務軽減や作業時間の短縮、安全性を向上させることが可能です。

掛け作業前の準備とチェック項目
作業前の準備が、安全で確実なシート掛けの基礎となります。
以下の項目を順番に確認しましょう。
1. シートのかかる箇所を清掃し、異物を除去します。小石や釘、金属片が残っていると、シートに穴が開く原因になるため注意が必要です。
2. 積荷の安定性を確認します。荷崩れしやすい状態では、シートを掛けても輸送中に荷物が動き、破損や事故につながります。必要に応じてロープなどで固定しましょう。シートは、積荷を固定させるものではありません。
3. 積荷の角がシートを破らないか確認します。シートを破損させそうであれば、保護のために、ゴム板などの緩衝材やウエス(古布)などを使用しましょう。
4. シートの破損チェックを行います。
ゴムバンド・ロープの状態確認も必要です。ゴムが伸びきっていたり、ロープがほつれていれば交換してください。
| 確認箇所 | チェック内容 |
| 生地全体 | 破れ・穴の有無 |
| ハトメ | 欠損・変形の有無 |
| 縁部分 | ほつれ・劣化の状態 |
昇降台や脚立を準備し、安全に荷台上で作業できる環境を整えます。また、トラックの種類によっては、ヘルメット着用が義務化されている場合もあるため、しっかりと安全ルールを守った作業を心がけましょう。
シートを均等に広げて固定する方法
準備が整ったら、以下の手順でシートを掛けます。
荷台前部からシートを乗せ、中心線を荷物の中心に合わせながら広げましょう。
シートの中心線(多くのシートには色や縫い目で目印がある)と荷物の中心を一致させることで、左右均等に広がり、シートのたるみやズレを防ぎます。四隅のハトメにゴムバンドやロープを通し、荷台フックに固定します。
固定順序の一例は以下の通りです。
【固定方法の一例】
1. 前部左右の2箇所を固定
2. 後部左右の2箇所を固定
3. 左右側面・後部を順番に固定
4. 全体の張り具合を確認して調整
※上記はあくまで一例です。荷崩れ防止を最優先に、安全な手順で行ってください。
風が強い日は重しで仮固定しながら作業を進めます。固定後は手でシートを引っ張り、たるみがないか最終確認しましょう。
【ワンポイント】シートに目印を付けておく
シートは常に広げた状態で作業できるわけではないので、シートの一部を見ても前後左右がわかるように、中央線を入れたり、マークや印を入れておくことで、シート掛けや片づけ作業がスムーズに行えます。
平ボディシートの正しいたたみ方とメンテナンス
シートの寿命を延ばすには、正しいたたみ方と日常的なメンテナンスが必要です。雑なたたみ方は、折り目の劣化を早め、メンテナンス不足は突然の破損につながります。ここでは効率的なたたみ手順と長く使うための管理方法を解説します。
【この章で解説する内容】
・効率的なシートのたたみ手順
・シートの洗浄と乾燥方法
・破損時の補修と保管のポイント
適切な管理をおこなって、シートを長持ちさせましょう。

効率的なシートのたたみ手順
作業の効率化とシートの長持ちを両立させる、正しいたたみ手順を紹介します。
シャシを一周してゴムバンドやロープなど、シートを止めているものを取り外しましょう。焦らず1つずつ確実に外していくことが大切です。
前部から約1/3を重ね、後部からも前に向かってたぐり寄せます。前後を三つ折りにすることで、長さが扱いやすくなるでしょう。左右も2回三つ折りにして、後ろから巻いていきます。
【三つ折りの手順】
1. 前部1/3を中央へ折る
2. 後部1/3を前方へ折り重ねる
3. 左側1/3を中央へ折る
4. 右側1/3を左方へ折り重ねる
5. 後部から前方へロール状に巻く
最後にゴムバンドで固定し、解けないようにします。ゴムバンドは2~3箇所で留めると、保管中にシートが広がりません。
【ワンポイント】折りたたまずに丸めて保管
シートは折りたたんだ状態で積載していると折り目で破損していきやすくなるので、丸めるようにたたんでおくことが長持ちさせるコツです。雨風や紫外線、癖付けからの防止にもつながります。
シートの洗浄と乾燥方法
使用後は汚れを水洗いし、風通しの良い日陰で乾燥させます。泥や砂が付着したまま放置すると、繊維の間に入り込み、シートの柔軟性を損ないます。
洗浄の手順は以下の通りです。
| 手順 | 方法 | 注意点 |
| 1. 予洗い | ホースで全体を流す | 砂や泥を落とす |
| 2. 洗浄 | ブラシで軽くこする | 強くこすると傷む |
| 3. すすぎ | 洗剤が残らないよう流す | 洗剤残りは劣化の原因 |
| 4. 乾燥 | 風通しのいい場所で干す | 濡れたままにすると防水効果が落ちる |
地面に広げて乾かすと地面の湿気で蒸れてしまったり、人が踏んで傷める恐れがあるため避けます。フェンスや物干し竿に掛けて干すのが理想的です。
雨に濡れたら必ず干し、月に1回程度の水洗いを習慣にすれば、シートの寿命が延びます。
破損時の補修と保管のポイント
小さな破れは共布に接着剤をつけて早急に補修します。放置すると破損が広がり、修理不可能になる恐れがあるでしょう。応急補修キットを車載しておけば、現場ですぐに対応できます。
補修方法は破れの大きさで異なります。一つの目安として以下を参考にしてください。
【破損の大きさ別:ターポリン補修方法(目安)】
・5cm未満の小さな破れ:シート補修テープで対応
・5~10cmの破れ:共布と専用接着剤で補修
・30cm以上の大きな破れ:専門業者に依頼
・ハトメの破損:金具の打ち直しが必要
シート補修テープはホームセンターやトラック用品店で購入できます。価格は1,000円前後で、複数回使用可能です。
保管時は直射日光を避け、ロール状に巻いた状態で通気性の良い場所に置きます。湿気の多い場所ではカビが発生するため、倉庫内でも風通しの良い場所を選んでください。
定期的な点検で劣化箇所を早期発見することが、シート寿命延長とコスト削減の鍵です。月に1回、シート全体を点検する習慣をつけましょう。
まとめ
平ボディトラックのシートは、積荷を雨風から守り、安全な輸送を実現する重要なアイテムです。
国土交通省の輸送安全規則でも転落防止措置が求められており、法令遵守の観点からも欠かせません。
エステル帆布・ターポリン・PVCシートなど、用途に応じて最適な素材を選び、正しいサイズを計測することが大切です。シートサイズは荷台外寸にかぶり長さを加算し、積荷の高さも考慮して立体的に計測しましょう。
シート掛けは中心線を合わせて均等に広げ、ハトメとロープで確実に固定してください。使用後はロール状に丸めてたたみ、定期的な洗浄と補修でシートの寿命を延ばせます。
中古トラックの購入は、事業の生産性を形づくる投資でもあります。
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