アルミバントラックとは?構造・業種別の使い方|中古購入のポイントも解説

雨天時の輸送でも荷物をしっかり保護でき、食品・家具・建材・精密機器など多様な業種で採用が進むアルミバントラック。
近距離配送に適した2t・中距離輸送でバランスのよい4t・大量輸送に対応する10tなど、ニーズに合わせたサイズ選択が可能なのも各業界から必要とされる理由の1つです。
本記事では、アルミバントラックの特徴と選び方、主要5メーカーのモデルを紹介。
中古アルミバンを選ぶ際のポイントも現場目線で解説します。
バディトラックでは、厳選された中古アルミバンを取り揃え、新しい在庫も随時入荷しています。ご購入を検討の方はぜひ、チェックしてみてください!
アルミバントラックとは

出典:バディトラック
荷物を「安全に」「効率よく」届けるために欠かせないのが、アルミバントラックです。
アルミバンはアルミ製の箱型荷室を持つトラック。
外気・雨風・粉じんなどから荷物をしっかり守り、安定した輸送ができるのが大きな特徴です。
たとえば家電製品・精密機器・衣料品・イベント機材といった「濡れ」「振動」「直射日光」に弱い荷物を運ぶ際は適役。
「荷物を壊さず、きれいな状態で届けたい」というニーズに合わせて、アルミバントラックの普及と進化が進んでいます。
アルミバンの構造と仕組み
アルミバントラックは、車体(シャシー)とアルミ製の荷室(上物)を組み合わせて作られています。
いすゞ「エルフ」・三菱ふそう「キャンター」・トヨタ「ダイナ」といった車体に、架装メーカーがアルミ製ボディを取り付けて製造します。
近年では、メーカーと架装メーカーが共同で生産する「メーカー完成車」も増えています。車体とボディが一体化して出荷されることで、保証・品質・納期が一元化され導入のハードルが低くなってきました。
軽くて丈夫、そしてサビに強い ― アルミ素材の利点

アルミバンの外壁に使われるアルミ素材は、鉄よりも約3分の1の軽さ。
車両全体の重量も軽くなり、燃費向上や積載量確保に繋がります。
アルミには錆びにくく腐食しにくい性質があり、長期間の使用でも外観が傷みにくいのが魅力です。
さらに、多くのアルミバンでは「アルミコルゲート」と呼ばれる波型パネルを採用。波状の凹凸が板の強度を高め、走行中の振動や積み下ろし時の衝撃にも強い構造になっています。
また、パネルだけで十分な強度が得られない場合は、四隅の補強に「スチフナー(スティフナー)」と呼ばれる鉄素材の柱が使用されることもあります。
こうした素材選定と構造の工夫により、荷物の保護性能と車体の耐久性を両立できるのが、アルミバントラックの大きな特徴です。
多様な業種で求められる「運ぶ品質」
アルミバントラックは、さまざまな業種で導入されています。
《アルミバントラック使用例》
| 利用例 | メリット |
| 宅配・ルート配送 | 荷崩れ防止・雨天対応・配送効率アップ |
| 引っ越し業社 | 家電の保護、積み降ろし時のキズ防止 |
| 食品・雑貨配送 | 衛生的に管理しやすい |
| イベント・機材運搬業 | 精密機器や照明器具などデリケートな荷物を安全に輸送 |
近年は、振動を抑える「防振仕様」など、用途に応じたカスタマイズが増えています。
これにより、アルミバントラックは「一般輸送」だけでなく「高付加価値輸送」にも対応できるようになっています。
※ただし、仕様の条件(防振の効果など)は車両によって異なるため、導入前に確認をお願いします。
車両サイズ別にみるアルミバントラック
アルミバントラックは、車両サイズや積載量によって活躍する現場が大きく異なります。
中古市場で最も流通量が多いのが小型アルミバントラック(2t前後)ですが、業務内容や積載する荷物の種類によって“ちょうどいいサイズ”は変わります。
ここでは、小型・中型・大型アルミバントラックの特徴と、選び方のポイントを紹介します。
小型アルミバントラック

出典:バディトラック
最も流通量が多い2トンクラス。車体がコンパクトで小回りが利くため、住宅街や狭い路地が多い配送現場にぴったりです。
普通免許(または準中型免許)で運転できるモデルも多く、初めて業務用トラックを導入する事業者にもおすすめできます。
主な活用シーンは、宅配便や印刷物、飲食店への納品、小売・ホテルへのリネン配送など。
ただし、荷室がやや小さいため、「1日に何件も回る軽量物の配送」といったように用途を明確にして選ぶと失敗しません。
中型アルミバントラック

出典:バディトラック
「小型では積載量が足りない」「大型までは不要」という現場に最適なのが中型クラスです。
積載量が増え、荷室の高さや長さも拡張できるため、家電配送や食品ルート便、商業施設への納品などで選ばれています。
一方で、車両価格や維持費(燃料・タイヤ・保険など)は小型より上がるため、日々の走行距離や積載頻度を踏まえたコスト計算がポイント。
中型車はバランスが良く、万能型クラスとして人気です。
大型アルミバントラック

出典:バディトラック
大量輸送や長距離配送を支える主力クラス。建材やパレット物、イベント機材などの重量物輸送に向いており、保冷・パワーゲート付きなど、用途に応じた架装モデルも豊富です。
長時間走行に耐えられる剛性と安定性が求められるため、車両状態の確認やメンテナンス体制は必須。
また、大型免許が必要なほか、保管スペースや修理対応拠点の確保も大切です。
アルミバントラックを運転するための免許区分

アルミバントラックを運転する際には、車両のサイズや積載量によって必要な免許区分が異なります。
同じ「アルミバン」でも、2tクラスの小型から10tクラスの大型まで幅広いため、免許の種類を正しく理解しておくことが大切です。
免許区分と運転できるトラックの範囲
同じ車種でも、荷台の架装内容や増トン登録(積載量を上げる改造)によって、車両総重量が変わり、必要な免許区分が異なる場合があります。
中古トラックの購入を検討する場合は、「持っている免許で運転できるか」を事前に確認しておきましょう。
たとえば、小型アルミバントラックに、パワーゲートや、その他の装備が重量として加算されて準中型免許以上が必要になるケースも。
購入前には、「車検証に記載された車両総重量」を必ずチェックしてください。
以下の表では、各免許で運転できるトラックの範囲を、車両総重量と最大積載量の目安で整理しています。
| 免許区分 | 車両総重量 | 最大積載量 |
| 普通免許 | 3.5トン未満 | 2.0トン未満 |
| 準中型免許(5トン限定) | 5.0トン未満 | 3.0トン未満 |
| 準中型免許 | 7.5トン未満 | 4.5トン未満 |
| 中型免許(8トン限定) | 8.0トン未満 | 5.0トン未満 |
| 中型免許 | 11.0トン未満 | 6.5トン未満 |
| 大型免許 | 11.0トン以上 | 6.5トン以上 |
主要4メーカーの小型アルミバントラック
アルミバントラックには、小型・中型・大型とさまざまなサイズがありますが、街中で最も多く見かけるのは小型アルミバンです。
ここでは、国内で小型アルミバントラックを代表的に展開している、いすゞ・三菱ふそう・トヨタ・日野の4社を紹介します。
いすゞ「エルフ」

出典:バディトラック
いすゞ「エルフ」は1959年の誕生以来ロングセラーを続ける小型トラックの代表格。長年の改良により信頼性・耐久性・整備性に優れ、国内外の運送・配送現場で幅広く使われています。
軽快な走行と積載効率のバランスが良く、都市部配送にも扱いやすいのが特徴。
ボディバリエーションも豊富で、標準キャブ/ワイドキャブ/ハイキャブ、標準ボディ/セミロング/ロングなどから業種や荷物に合わせて選べます。
近年のモデルでは、燃費性能を高めるディーゼルエンジン改良や、衝突被害軽減ブレーキ、車線逸脱警報(LDWS)などの安全支援機能を標準装備しています。
三菱ふそう「キャンター」

出典:バディトラック
三菱ふそう「キャンター」は、耐久性と走行安定性を重視した設計がされている小型トラックです。
アルミバン仕様では、荷室を支えるフレーム構造を強化することで、積荷を安心して運ぶことが可能です。
ワイドキャブやロングボディなどバリエーションも多く、用途に応じて選びやすい仕様が揃っています。
近年のモデルでは、左折時死角支援「Active Sideguard Assist®」をはじめとする先進安全装備が導入され、安全・快適な運転環境も強化されています。
トヨタ「ダイナ」
トヨタ「ダイナ」は、軽量で耐久性の高い小型アルミバントラックです。
荷室は白色アルミ板や複合材を使用し、強さと軽さを両立。
標準キャブ/ワイドキャブが選べ、2トン積載クラスを中心に用途に応じた仕様を選びやすくなっています。
最近のモデルではハイブリッド仕様もあり、燃料コストを抑えたい業者にも対応しています。
日野「デュトロ」

出典:バディトラック
日野「デュトロ」は、標準幅キャブ/ワイドキャブ、標準長/セミロング/ロング/超ロング、全低床など複数の車型から選べる小型アルミバントラックです。
サイドドアやパワーゲートなどのオプションも豊富で、坂道や狭い現場でも扱いやすい設計です。
中古アルミバントラック|購入時のポイント

出典:バディトラック
アルミバントラックは腐食に強い素材で作られているため、適切にメンテナンスされた中古車なら十分に長く使用可能です。
アルミバントラックの中古車需要が高い理由としては、以下が挙げられます。
- 新車に比べ導入コストを抑えられる
- 架装済みモデルが多く、購入後すぐに実務で使える
- 在庫数が豊富で、希望仕様の車両を見つけやすい
購入前に確認したいチェック項目
中古アルミバンを購入する際は、外観や荷台だけでなく、修理やメンテナンスの履歴も確認しておくと安心です。
- 荷室の寸法
- 外装(アルミ板の歪み、密閉性の確認)
- 荷台内の床状態(腐食・湿気跡など)
- ドアやリフトなど搭載されている装備の動作確認
- フレーム・シャーシの修復歴
- 年式・走行距離と価格のバランス
特にアルミバンは、衝撃や経年で小さな歪みが生じることがあります。密閉性に問題がないか、事前にチェックすることが大切です。
現場でよくある疑問Q&A|アルミバントラック導入のリアルな声
ここでは、アルミバントラックを導入する際のサイズ選びや中古購入、カスタマイズなど、知っておきたいポイントをQ&A形式でわかりやすく解説します。
Q1:2tアルミバンでどの程度の家具や家電の配送が可能ですか?
A:冷蔵庫・洗濯機・テレビ・家具などの一般家庭用の家具家電配送であれば、2tクラスは非常に扱いやすいサイズです。配送ルートでも小回りが利くため、住宅街や狭い路地の走行に向いています。
標準的な2tアルミバントラック(内寸:長さ約3.1〜3.2m × 幅約1.7〜1.8m × 高さ約2.0m)の場合、積載量はおおよそ2,000kg前後。
このスペースに積載できる量をイメージしてみましょう。
《例1:単身者向けの家電セット配送(1件分)》
- 冷蔵庫(2ドア・120L)×1
- 洗濯機(5kgクラス)×1
- 電子レンジ・炊飯器・掃除機・小型家電一式
- テーブル・椅子・収納ボックスなど
この積載量なら荷室の1/3〜1/2を使用するイメージです。
《例2:ファミリー世帯の大型家電配送(1件分)》
- 大型冷蔵庫(400〜500L)×1
- 洗濯機(ドラム式・10kg)×1
- 50インチテレビ ×1
- 電子レンジ・炊飯器・その他小型家電
この場合は1件分の積載量で荷室の約2/3〜3/4程度を使用します。
この程度の配送などの現場では、午前中に2件、午後に2件など、1日3〜4件の配送ルートを組むケースが多いです。
2人乗務(ドライバー+助手)での運用により、搬入・設置まで効率よく対応可能となります。
ただし、大型家電やパレット単位の荷物は積載量オーバーや荷室スペース不足になる可能性も。
日々の配送量と荷物の種類を確認し、必要に応じて中型(4t)へのアップも検討しましょう。
Q2:積載量オーバーのリスクを減らすにはどうすれば良いですか?
A:アルミバントラックでの過積載は、ブレーキの効きが悪くなったり、カーブで車体が不安定になったりと事故のリスクが上昇します。
また、タイヤやサスペンションの損傷、荷物の破損・落下、さらには罰金や減点などの法的処分を受ける可能性もあるため注意が必要です。
こうしたリスクを防ぐために、まずは車検証に記載された最大積載量を確認しましょう。
荷物の重さを合計して積載量の8割程度に収めるのが安全です。
重い荷物は荷台の前方・下側、軽い荷物は上や後方に積むなど、バランスよく配置することも大切。
積み込み後に車体の傾きや後輪の沈み具合をチェックし、異常があれば再確認しましょう。
不安なときはトラックスケール(重量計)で実測すれば確実です。
「まだ入る」ではなく「安全に走れるか」を基準とした判断が、アルミバントラックを長く安心して使うポイントです。
中古アルミバントラックならバディトラック

出典:バディトラック
アルミバンは、荷物を守る・運ぶ・効率化 を同時に実現できる万能トラックです。
各メーカーに独自の強みがあり、トン数によって活躍シーンも変わります。
さらに中古市場でも需要が高く、初期コストを抑えつつ即戦力として導入できる点も大きな魅力です。
導入を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
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また、ご希望に応じた架装(内装・床張り・ラッシングレール取付など)にも対応可能なケースもあります。
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