平ボディの「あおり」完全ガイド|素材・高さ・操作性で失敗しない車両選び

平ボディを選ぶ際に欠かせない装備が『あおり』です。
平ボディトラックは荷台がフラットで積みやすいのが特長ですが、その反面、荷物の固定や落下防止には弱点があります。この不足する部分を補い、安全性と作業効率を高めるのが「あおり」の重要な役割です。
本記事では、鉄・アルミ・ステンレス・木製といった素材の特徴や、作業に合わせた高さ選び・補助装置の活用方法を解説。
中古平ボディ選びで失敗しないための実践的なポイントもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
バディトラックでは、あおりの仕様もさまざまな平ボディを取り揃え、新しい在庫も随時、入荷しています!
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平ボディの【あおり】とは?

平ボディトラックに欠かせない装備のひとつが「あおり」です。
あおりとは、荷台の側面や後方に取り付けられた可動式のパネルで、荷物の積み降ろしや輸送の安全に大きく関わります。
一般的には三方向(左右・後方)が開閉できる「三方開き」タイプが多く採用されていますが、長距離輸送のトラックでは後方のみ開閉するタイプもあります。
また、あおりが長くなるタイプでは、両サイドのアオリが2分割、あるいは3分割して開閉できる仕様もあります。
さらに、あおりの高さがあるタイプでは「2段式あおり」と呼ばれる構造もあり、背の高い荷物を運ぶときは2段に、低い荷物のときは1段で、と用途に応じて高さを調整できます。
あおりの基本的な役割(安全・固定・効率)
あおりには主に3つの役割があります。
- 荷物を守る安全性
走行中の振動や揺れによる荷崩れや落下を防ぎます。 - 荷物をしっかり固定する
荷台がフラットな平ボディでは、あおりがあることで荷締めベルトなどを掛けやすく、固定の補助としても機能します。 - 積み降ろし効率を高める
側あおりや後あおりを開閉することで、フォークリフトや人力での荷役作業がスムーズに進みます。荷台のどの方向からも作業できるのは平ボディならではの利点です。
トラックには多くの形状がありますが、平ボディは建築資材や機材といった形やサイズがさまざまな荷物を運ぶ機会が多い車両です。そのため、あおりを使う頻度が高く、形状や素材・操作性を考慮して、日常的に使いやすい一台を選ぶことが大切です。
平ボディでの輸送はあおりの材質も重要

出典:バディトラック
平ボディでの輸送では「あおりの材質」によっても、使い勝手や耐久性が大きく変わってきます。
現場の環境や運ぶ荷物に合わない材質を選んでしまうと、作業効率が落ちてしまったり最悪の場合は荷物や車両にダメージが出たりといったケースも。
ここでは、鉄・アルミ・ステンレス・木製といった代表的なあおり素材について、それぞれの特徴と現場ごとの適性をわかりやすく解説します。
建設現場向け「鋼(鉄)製」
平ボディのあおりの素材で定番な種類。
建材や重量物を運ぶ建設現場では、鋼製あおりが安心です。頑丈で衝撃にも強く、H鋼や木材などの重い荷物でもしっかり支えてくれます。サビやすさと重量が鋼製の弱点ですが、耐久性を最優先する建設業には欠かせません。
軽量・扱いやすい「アルミブロック」
小型荷物の配送や女性ドライバーに人気なのが、軽くて扱いやすいアルミ製のあおり「アルミブロック」です。
アルミは素材自体が軽量なため、開閉がラクで毎日の作業効率が向上します。さらにサビに強く、見た目の清潔感を長く保ちやすいのも大きな利点です。
ただし、鋼製に比べると表面が傷つきやすいという弱点があります。そのため、軽量物を扱う配送業務に適しているといえるでしょう。
サビに強い「ステンレス」
平ボディは屋根がないため、雨や潮風の影響を受けやすく、あおりにも耐久性や清潔さが求められます。キッチンにも使われるステンレス素材ならサビに強く、輸送後の繰り返し洗浄や、沿岸部・漁港といった水に濡れる環境でも劣化しにくいため安心です。
摩擦力で安定する「木製」
一見すると金属製に比べて強度が劣るように感じる木製のあおり。しかし木材は特有のしなやかさがあるため、ガラスやスクラップした機械部品など壊れやすい荷物を積むときにはとても相性がいいのです。
また、木製は金属製と比べて摩擦力が高いのも大きな特長。鉄材やパイプといった金属製品でも滑りにくく、安定した状態で輸送できます。加えて、木なのでサビる心配がないのも安心できるポイントです。
とはいえ、「どのあおりが自分の現場に合っているのか分からない…」という方も多いはず。バディトラックでは、平ボディトラックの仕様の相談まで幅広く対応しています。
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平ボディのあおり高さの目安

出典:バディトラック
平ボディトラックを選ぶときに意外と見落とされがちなのが「あおりの高さ」です。
平ボディトラックを選ぶ際にチェックしたいのが「あおりの高さ」です。
あおりは荷物の落下防止や安全確保に欠かせませんが、積み下ろしの効率や使い勝手にも直結します。
ここでは一般的な車格ごとの目安をまとめています。
・2t(小型)クラス:約40cm前後
・4t(中型)クラス:約40cm前後
・増トン車:約40〜50cm前後
・10t(大型)クラス:約30〜50cm前後
※あくまで一般的な目安であり、車種・メーカー・仕様によって細かな寸法は異なります。
また、あおりの高さは車体の床高(低床・高床など)とも連動します。
低床仕様では積み下ろし効率を重視してあおりも低めになりやすく、高床仕様では地上高が高いぶん、あおりも相対的に高くなります。
床高ごとの特徴や違いは、こちらの記事で詳しく解説しています。
あおりなし平ボディという選択肢
通常はあおり付きが標準ですが、重機や大型機械の運搬用途では、あえて“あおりなし”で使われることもあります。
車両として流通している数は少なく、多くは標準車からあおりを外すカスタマイズによって対応しています。
荷台をフル活用できる一方で、固定や安全面の工夫が必須となるため、特殊な現場に限られる仕様です。
平ボディあおりの開閉と補助装置

出典:バディトラック
平ボディトラックの「あおり」に求められるのは、荷物をしっかり守りつつ積み下ろしのときにはサッと開けられる構造です。
基本の仕組みはとてもシンプルで、蝶番(ちょうつがい)を軸にして下方向に倒すタイプがほとんど。
多くは左右と後ろの三方向が開けられる「三方開き」ですが、長距離輸送向けなどでは後方のみ開閉する仕様もあります。
特に鉄製のあおりは重く、人力での開閉は負担になりがちです。そこで活躍するのが「アオリ開閉補助装置」。
内部のバネの力で重さを軽減し、女性ドライバーや年配の方でも扱いやすく、安全性を高めてくれます。
ここからは代表的な補助装置と主なメーカーを紹介していきます。
1. セイコーラック(自動車精工株式会社)
セイコーラックは、平ボディトラックのあおりを軽く安全に開け閉めできるようにする補助装置です。内部のバネが重さを支えてくれるので、重たいあおりでも片手で操作。急にバタンと落ちる心配もありません。
シンプルな構造で耐久性があり、SRC型は中型以上、SRN700型は10tの低床・中型・小型トラックなどの車種に向いています。トラックのサイズやあおりなどに合わせて種類を選べるのも特徴です。
2. アオリバランサー(タカラ産業株式会社)
アオリバランサーも、圧縮スプリングの反発力を利用して、あおりの開閉を軽くする補助装置です。
セイコーラックとともに、新車時に標準装備されることも多く一般的な補助パーツとして普及しています。
大型から中型・小型まで車格ごとに適したタイプがあり、あおりの仕様に応じて選ぶ必要があります。
3. スーパースケットマックス(三菱製鋼株式会社)
スーパースケットマックスも、バネの力を利用してあおりの開閉を軽くする補助装置で、主に大型トラックに使われます。1枚のあおりに2~3個装着することで、力のない女性でもスムーズにあおりが開閉でき、特に力仕事が多い現場で重宝されています。
中古平ボディ購入時のチェックポイント

中古の平ボディを検討する際には、あおり周りの状態もしっかり確認しておきたいところです。特に注意したいのが次のポイントです。
- サビや腐食を確認する
荷台やあおりは雨風にさらされるため、サビや腐食が進みやすい部分です。例えば、前オーナーが海沿いで使用していたトラックでは、見た目以上に下部が傷んでいるケースもあります。表面だけでなく裏側までチェックすると安心です。 - ヒンジやロック機構の動作を試す
頻繁に開閉する部分なので、摩耗やガタつきが出やすい箇所です。実際に「ロックが甘く、走行中にあおりが開いてしまった」というトラブル例もあります。購入時には必ず開閉を試して、確実にロックできるか確認しましょう。 - 補助装置の有無を確認する
セイコーラックやバランサーといった補助装置は、多くの新車で標準装備されています。ただし、年式や仕様などによって装着されていないケースもあります。
中古平ボディを検討する際には、こうした装置が付いているか、また実際にスムーズに動作するかを確認しましょう。後付けされていたり良好な状態で残っていれば、積み下ろしの負担を大幅に減らし、「効率性の高い一台」として活用できます。 - 修理や交換が可能かを確認する修(部品流通状況)
万が一壊れたときに部品が入手できるかは重要です。特に古い年式だと「部品が廃番になっていて修理できない」というケースもあるので、事前に確認しておくと安心です。
こうした点を押さえておくことで、購入後に余計なコストや手間をかけず長く安心して使える平ボディを選ぶことができます。
中古平ボディ迷ったらプロに相談!現場に合う平ボディを見つけよう
平ボディのあおりは、荷物を守る「安全」と積み降ろしをスムーズにする「効率」という両輪を支える大切な存在です。
あおりの高さや素材、有無に加えて、開閉時に便利な補助装置についてもあらかじめ考慮することで、現場に合った最適な1台を選ぶことができます。
バディトラックなら実車確認とプロによるアドバイスで安心。現場に最適な平ボディをお探しの際はまずはお気軽にお問い合わせください。
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