平ボディのパワーゲート付を完全ガイド!|必要性・種類・耐荷重・活用例を解説

平ボディのトラックにパワーゲートが欠かせない現場は少なくありません。
重機やバイクの積載、重量資材の搬入などでは、「パワーゲート付き平ボディでなければ対応できない」というケースは多いものです。
実際に初めて導入した方からも、「きつい手積みから解放された」「少人数で運べるようになった」といった声も寄せられています。
本記事では、平ボディとパワーゲートの基本から種類、導入メリット、活用シーンまでを解説。「現場に必要かどうか」を判断できる内容をお届けします。
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パワーゲート付き平ボディとは
平ボディは、荷台がフラットで囲いがないため建材や農機具、資材など「形を選ばず積める」トラックです。ただし重量物の手積みは、作業負担が大きく事故のリスクもあります。
そこで役立つのがパワーゲート付き平ボディです。パワーゲートは荷台後方に付けるリフトで、地面と荷台をつなぐ「エレベーター」のような装置です。
ボタン操作だけで荷物を安全に昇降できるため、これまで2名で行っていた作業も1人で対応可能になります。
バイクや重機の積載、重量資材の運搬など、フォークリフトが使えない現場でも使用できるのが強みです。効率性と安全性を兼ね備え、人手不足の解消にもつながるため、中古市場でも人気の高い仕様となっています。
次に、パワーゲートの種類を見ていきましょう。
パワーゲートの仕組み
パワーゲートは、荷台の後ろに取り付けられた昇降装置です。スイッチやリモコンの操作で、プラットフォーム(荷物を載せる板)が地面と荷台の間を上下に動き、重い荷物を安全に積み下ろしできます
動力源には油圧・電動・真空・チェーン・ワイヤーなどがあり簡単な操作で大きな力を生み出します。仕組みはシンプルで、プラットフォームがレールに沿って車体後部を昇降する構造です。
最大リフト耐荷重は600kg〜800kgが主流となっており、油圧シリンダーなどの力で押し上げたり下げたりすることができます。
理由は、建築資材や農業用コンテナなど「人力では厳しいがフォークリフトを使うほどではない重量物」を扱うケースが多いからです。
作業者が直接荷物を持ち上げる必要がないため、腰や腕への負担を大幅に軽減できるのが大きな特徴です。人力では大変な荷物も、ボタンひとつで地面から荷台へスムーズに移動できます。
平ボディのパワーゲートの種類
荷物の積み下ろしをスムーズにするパワーゲートは、動作方式によって大きく「垂直式」と「アーム式(スイング式)」の2種類に分けられます。
その2種類はさらに、格納の仕方によって「後部格納式」や「床下格納式」に分かれます。
ここでは、平ボディで利用される代表的なパワーゲートの種類と、それぞれの特徴・平ボディトラックとの相性を解説します。
垂直パワーゲート

出典:バディトラック
平ボディにもっとも多いパワーゲートが「垂直式」です。荷台後部の両端にレールがあり、ゲート板がまっすぐ上下する仕組みになっています。
《特徴》
・上下動が安定しており、荷物の揺れが少ない
・両側レールで支える構造のため、比較的耐久性が高い
・小型〜中型(2t〜4tクラス)の平ボディに多い
《平ボディとの相性》
・ガスボンベやドラム缶、背の高い資材などを安定した状態で昇降できる
・囲いのない平ボディと組み合わせることで、重量物をまっすぐ安全に積み下ろし可能
・ゲートが真っ直ぐしか動かないため、段差や傾斜では作業しにくい
アーム式パワーゲート(テールゲートリフター)

出典:バディトラック
このゲートも平ボディに採用されるタイプで、アーム(腕のような支点)でゲート板を支えながら、斜めに昇降します。荷台と地面をスロープ状につなげられるため、重量物はもちろん、台車やハンドリフトで積み込む作業にも対応できます。
《特徴》
・台車やハンドリフトを使った積み込みに便利で、建設資材や土木現場で多く採用される
・小型〜中型(2t〜4t)の平ボディトラックに装備されるケースが多い
《平ボディとの相性》
・坂道でもスロープ状にできるため、段差ができず積載がスムーズ
・垂直式に比べると複雑な構造のためメンテナンスコストはやや高め
・スイングして昇降するので揺れがでやすい
次に格納の仕方を紹介します。
跳ね上げパワーゲート(後部格納式ゲート)

出典:バディトラック
使用しないときにゲート板を車体後方へ跳ね上げて収納するタイプです。
平ボディではゲートが後部アオリの代わりとなり、ゲート自体が扉の役割を兼ねます。
《特徴》
・耐荷重は約600kgクラス〜約1tまで幅広く対応できる
・プラットフォームが広めに設計されており、大型の荷物も安定して載せやすい
《平ボディとの相性》
・収納時はゲート板が立ち上がるため、通常のアオリよりも後部に高さがでる
・ゲートを下ろさないとアオリの開閉ができないため、荷役の流れによっては手間が増える
床下格納式パワーゲート

使用しないときにゲート板を荷台下に折りたたんで収納するタイプです。ウィング車やバン車ではよく見られますが、平ボディに搭載されるのは非常にレアな仕様です。
《特徴》
・ゲート板を荷台下にすっきり収められるため、荷台後部に高さがでない
・構造が複雑で導入コストはやや高め
《平ボディとの相性》
・パワーゲートを使わず、荷台後部から直接積み下ろしする作業でも邪魔にならない
・跳ね上げ式に比べるとパワーが劣る
・折りたたまれたところから開く手間がかかる
平ボディのパワーゲート耐荷重
サイズ | 耐荷重 |
2t(小型)平ボディ | 約300kg〜約800kg |
4t(中型)平ボディ | 約700kg〜 約800kg |
10t(大型)平ボディ | 約800kg〜約1,000kg |
※リフトのメーカー・種類・車格などによって耐荷重は異なります。ご購入の際は、実際の耐荷重を必ずご確認ください。
平ボディでよく使われるのは耐荷重が600~1,000kgクラスです。建築資材やコンテナなど「人力では厳しいがフォークリフトを使うほどではない重量物」が多いため、現場にちょうどよい使い勝手を備えています。
パワーゲートの耐荷重と選び方
パワーゲートの耐荷重は、単純に「大きなトラックほど重い荷物に対応できる」というわけではありません。同じ2t車でも約300kg仕様から約800kg仕様まで幅があり、用途や車体設計に合わせて選ばれています。
荷物の重さに応じた代表的な耐荷重の目安は次のとおりです。
- 600kgクラス:米袋・肥料袋・コンテナなど
- 1000kgクラス:発電機など小型建設機械
注意したいのは、耐荷重を超えると油圧シリンダーやゲート板の破損、作業事故のリスクが一気に高まる点です。最大値ぎりぎりまで積むのではなく、2割ほど余裕を見て選ぶのが安全に長く使うコツといえます。
平ボディ×パワーゲートの主な活用例

《建設機械・機材》
コンプレッサーや発電機などキャスター付きの機材も、荷台の高さを気にせずスムーズに搬入できます。少人数でも安全に扱えるのが強みです。
《農産物・農業用資材》
米袋(30kg)や肥料袋、収穫用コンテナをまとめて持ち上げられるため、腰への負担を軽減しつつ効率的に作業できます。
《バイク・小型機械》
スクーターや耕運機、除雪機も安定して載せられます。スロープ(傾斜板)では転倒リスクがある車両でも安心して作業可能です。
パワーゲートに多い故障と症状
パワーゲートは現場作業を大幅に効率化してくれる装備ですが、油圧や電気を使う精密な装置であるため、経年劣化や使い方によって故障が発生することがあります。
《よくある故障の症状》
- 動かない(電源が入らない、起動しない)
- 動いても昇降しない(スイッチは反応するがゲート板が上下しない)
- 途中で停止する(荷物を載せた状態で止まると作業が中断される)
- 勝手に動く(降下ボタンを押していないのにゲートが下がる)
これらはいずれも作業効率を大きく下げるだけでなく、荷崩れや作業者の転倒など事故のリスクにつながります。異常を感じたら使用を中止することが大切です。
《主な原因》
- 電装系トラブル(スイッチの接触不良、配線断線など)
- 油圧系トラブル(油圧モーターやポンプの不良、シリンダーのオイル漏れ)
- 部品の摩耗(ブラシやシール類の劣化による性能低下)
多くは経年劣化が背景にあり、日常点検で早期に兆候をつかむことが予防につながります。
《修理費用の目安》
- 電源スイッチの接触不良や油圧モーターの断線など軽度の故障:数千円〜
- 油圧シリンダー修理・交換:12万円前後
- プラットフォーム交換:20万円前後
場合によっては本体交換となり、100万円以上かかるケースもあります。そのため、定期的な点検や消耗部品の交換が重要です。
パワーゲートを長く使うために
パワーゲートの故障は、経年劣化によって可動部や負荷のかかる部分から発生することが多いです。そのため、車検や定期点検の際に油圧系やヒンジなどの可動部を重点的にチェックすることが予防につながります。
特に油圧シリンダーに使われているブッシュやパッキン類は消耗品と考え、摩耗が見られたら早めに交換しておくのが安心です。こうした小さな部品交換を定期的に行うことで、大きな故障を防ぎ、パワーゲートを安全に長く使い続けられます。
中古パワーゲート付き平ボディならバディトラックへ

パワーゲート付きの平ボディは、重量物や機材を扱う現場で作業効率と安全性を高めてくれる装備です。中古平ボディの中でも人気があり、条件に合った1台を選べば現場での作業がとても楽になります。
一方で「今のトラックに後付けできないか?」と考える方も多くいらっしゃいます。
後付けはもちろん可能なのですが、パワーゲートの本体価格、取り付け工賃、車検や構造変更手続きなどで、費用は高額になりがちで、時間がかかってしまうことがあります。その点、中古であればコストを抑えてすぐに、現場稼働を止めずに使うことができます。
バディトラックでは、整備士による徹底した点検・整備を行った中古平ボディ+パワーゲート付車両を幅広く取り揃えています。
全国納車にも対応しており、建設・農業・設備会社など、現場ですぐに使える車両をお探しの方にサイズから耐荷重までお客様のビジネスに合わせてご提案させていただきます。
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