平ボディの床高を比較!超低床・低床・全低床・高床の『高さ』『特徴』と現場目線の選び方

平ボディ

平ボディトラックを選ぶとき、意外と見落とされがちなのが「床の高さ」=「床高(とこだか)」です。

2t・4t・10tのトラックでも、床高が違うだけで荷物の積み下ろしのしやすさや作業スピード、走行の安定性まで大きく変わります。

特に手作業が多い現場では、ちょっとした床高の違いにより作業する方の腰や膝への負担が軽減したり作業効率がアップしたりといったケースも。

この記事では、床高の違いが積み込みや走行性能にどう影響するのかを解説しながら、用途や作業環境に合わせた最適な選び方をお伝えします。

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平ボディの床高とは?

床高とは、地面から荷台床面までの高さをいいます。(床面地上高とも呼ぶ)

「床高が低いほうが積み下ろしがラクそう」

「荷台が高いほうが頑丈そう」

──そんなイメージだけでは判断できない奥深さがあり、現場での作業効率や安全性を左右する重要なポイントです。

それぞれの床高の特徴を把握し、現場に合わせた最適な床高の平ボディを選びましょう。

平ボディトラック4つの床高とその特徴

平ボディトラックは、床高の違いによって作業効率や積載物との相性が大きく変わります。

ここでは「超低床・低床・全低床・高床」の4タイプについて、それぞれの特徴を現場目線で詳しくみていきましょう。



《床高の種類と高さ目安早見表》

床高タイプ高さ目安
超低床
(スーパーロー)
約780〜800 mm
低床(ロー)約800〜835 mm
全低床
(フルフラットロー)
約840〜970 mm
高床(ハイフロア)約925〜1,100 mm

※メーカーや仕様により床高の数値は前後します。


超低床(スーパーロー)

超低床平ボディの床高は約780〜800mmと荷台が非常に低く設計されています。

きつい人力での積み下ろしが比較的、楽に行えるため作業する方の腰や膝への負担が軽減されます。
作業効率の高さが大きなメリットといえるでしょう。

2トンクラスが主流ではあるものの、台数自体が少なく中古で出てもすぐに売れてしまう、希少な床高となっています。

《高さでの注意点》

  • 車両の荷台底を擦りやすく、段差や坂道では注意が必要
  • 重量物の積載を繰り返すと、床下フレームに負荷がかかりやすい
  • 道路の凹凸が運転手や荷物にダイレクトに伝わるため、乗り心地がやや悪いことも

低床(ロー)

低床は手積み作業がしやすい、ほどよい高さの約800〜835mmで設計されています。

走行の安定性も確保されているため、幅広い業種で使いやすく中古トラックでの流通量も多いです。

《高さでの注意点》

  • 木材や鋼材など長さのある荷物は、積み位置が前後にずれると荷重バランスを崩しやすい
  • 後輪のタイヤサイズが小さい分、振動や左右の揺れにつながりやすく積荷が揺れやすい
  • 標準床や高床に比べてタイヤやフレームへの負荷が増えることがある

全低床(フルフラットロー)

全低床は荷台全体が低く平らで、前後輪のタイヤ径を揃えた平ボディです。フォークリフト作業の効率を意識して設計されており、パレット作業もスムーズに行えます。

超低床・低床平ボディよりも荷台下に余裕があるため、頑丈なフレームやサスペンションを搭載しやすい設計も特徴です。

《高さでの注意点》

  •  低床や全低床仕様は荷台を下げる構造上、サスペンションやタイヤへの負担が大きくなりがちです。そのため、重量物や長尺物を頻繁に運ぶ場合は、タイヤやブレーキなど足回り部品の消耗が早まる可能性があります。

    定期的な点検や交換を行うことで、安全性と車両寿命を保てます。

高床(ハイフロア:約925〜1,100mm)

高床は床高が高く、大径タイヤを装備しているため段差や未舗装路でも安定して走行できます。

走行時の荷物やドライバーへの衝撃が少なく、長距離運送や重量物輸送に適した設計です。

《高さでの注意点》

  • 荷台が高いため、作業員が手で荷物を積み降ろすには大きく持ち上げる必要があります。積荷を手作業で扱う現場では、腰や膝への負担が増え、作業効率が落ちてしまう場合も。
  • 高床は重量物や長尺物の積み下ろしには機械の使用がほぼ必須です。小型荷物や手作業中心の配送現場では扱いにくく、車両機械がないと積み降ろしが困難になります。
  • 高床タイプは特定の業種(建築・林業・長距離輸送)向けに需要が限定的で、流通台数も少なめです。そのため中古車を探す場合、希望する床高や仕様の車両が市場に出るまで時間がかかることがあります。


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積載物別おすすめ床高

平ボディトラックはどんな荷物を積むかによって「ちょうど良い床高」が違ってきます。

ここでは現場でよく使われる積載物ごとにおすすめの床高を一覧にしました。

気になる床高のタイプをリンク先で詳しく解説していますのでご覧ください。

積載物おすすめ床高ポイント
農作物・
収穫コンテナ
超低床人力作業が多い現場で負担を軽減。
作業スピードUP
小型荷物低床小口配送に適し、市場で出回っている中古車両も多く比較的探しやすい
建材・
重量物・長尺物
全低床フォークリフト作業・パレット積載に最適で安定性が高い
木材・
長距離輸送
高床悪路走破性・耐久性に優れ、長距離・重量物輸送に最適

床高に合わせた積み下ろし方法

平ボディトラックは現場の作業スタイルによっても最適な床高が異なります。

ここでは、手積み・フォークリフト・クレーンといった作業方法別に床高との相性を詳しく解説し
ます。

手積み・手降ろしの現場には超低床・低床がおすすめ

超低床タイプの平ボディは、農家の野菜コンテナなどの人力での積み下ろしに向いています。荷台が低いため腰や膝への負担軽減・低天井の倉庫でも作業しやすいのが特徴です。

ただし、段差や勾配のある路面では荷台の底を接触しやすいとともに、重量物を扱う場合は床下強度の確認が必要になります。

《実務ポイント》

低天井の倉庫や市場などで、超低床なら荷物をスロープなしで直接積めるため、作業時間が短くなり、腰や肩への負担も軽減できます。

フォークリフト作業の現場では全低床がおすすめ

建材や重量物、パレット荷物などをフォークリフトで積み下ろす作業に適しています。荷台が低く平らなため、フォークリフトのフォークをスムーズに差し込みやすく、長尺物や複数パレットの積載にも対応可能です。港湾や物流センター、工場などの現場では、作業効率を最大化できます。

一方で、床高が低い構造上、タイヤや部品への負担が大きく、摩耗や交換のコストが増えやすい点には注意が必要です。また、重量物を繰り返し積載すると、フレームへの負荷も大きくなるため、定期的な点検やメンテナンスが欠かせません。

《実務ポイント》

フォークリフトが荷台に対して 水平にフォークを差し込みやすい床高を選ぶと、パレット作業の効率と安全性が高まります。

クレーン作業の場合は高床がおすすめ 

重量物や建築資材、木材などをユニック(クレーン付トラック)で吊り上げて積み込む作業に適しています。

床高が高いため、クレーンアームで荷物を直接吊り上げやすく、さらに荷台下の空間も広いため大径タイヤとあわせて段差や未舗装路でも安定した走行が可能です。林業や建設現場、長距離輸送など、悪路や荷重の大きい現場で活躍します。


ただし、手作業での積み下ろしは非常に困難で、作業員の負担が大きくなるため注意が必要です。また、中古市場では高床タイプの車両の流通量が少なく、選択肢が限られる点も押さえておきたいポイントです。

《実務ポイント》

クレーン作業が中心なら、高床を選ぶことで作業時間と安全性を大幅に改善できます。

設備との相性で変わる床高選び

床高の適性は、トラック装備や現場設備によっても変わります。

パワーゲート付きのトラックで荷物を昇降させる場合、床高がやや高めでも積み下ろし作業は比較的楽に行えます。

また、ベルトコンベアを備えた工場や物流倉庫など、設備が固定されている現場では、荷台の高さと搬送ラインの高さを揃えることが重要です。高さが合わないと効率が落ちたり、荷物落下のリスクもあります。

《実務ポイント》

現場にある設備との相性を事前に確認し、最適な床高を選ぶことが重要です。

平ボディの床高による現場での注意点

平ボディトラックは便利ですが、実際の現場では「床高」による困りごとや注意点がいくつかあります。ここでは、平ボディ運用時に押さえておくべき現場での注意点を具体的に整理しました。

1. 底擦り・段差でのトラブルに注意

床高が低い平ボディは、スロープや段差・坂道で底を擦ってしまうリスクが高くなります。

特に超低床タイプは、都市部や倉庫など低天井の現場では非常に便利ですが、重い荷物を積む現場や段差の多い場所では、フレームや荷台床面への負荷・損傷に注意が必要です。

《対策例》

  • 段差やスロープに進入する際は、斜めに進入して床底を擦らない角度を意識する
  • 重量物は荷台中央に積み、両端を空けて段差への衝撃を分散
  • 床下やフレームに専用の保護板を取り付けることで、擦れや衝撃からフレームを守る

2. メンテナンス・部品コストが床高で変わる

床高やタイヤサイズによって、トラックの摩耗や部品交換の頻度は大きく変わってきます。

《低床・全低床》

  • 床が低くタイヤ径も小さいため、ブレーキや足回りにかかる負荷が大きくなりやすい
  • 荷物重量や段差の多い現場では、タイヤの摩耗やブレーキパッドの消耗が早まることがある

《高床》

  • 床高が高く大径タイヤを装備しているため、悪路耐久性は高い
  • 部品交換時や修理が必要な際には、タイヤやサスペンション周りの部品が高額になるケースも

《対策例》

床高を選ぶときは、積み下ろしや作業効率だけでなく、タイヤ・ブレーキ・足回りなどの維持費やメンテナンス負担もあらかじめ想定しておくと安心です。

3. 荷物重量・作業方法に合わせた床高選定が重要

超低床や低床タイプは、荷台が低いため、人力での積み下ろしに適しています。ただし床下スペースが限られるため、フレームや床面に負荷がかかりやすく、重量物や長尺物を繰り返し積むと耐久性に影響することがあります。

一方、高床タイプは床下に余裕があるため頑丈なフレームや大径タイヤを採用しやすく、耐久性が高いのが特徴です。段差や悪路でも安定して走行できるというメリットがあります。

《実務での注意点》

  • 重量物を頻繁に手積みする現場で低床を選んだら、床下フレームにヒビが入った
  • 超低床を使う配送では便利だが、段差や坂道で底を擦るケースがある

このように、作業内容合った床高の選択に加えて荷台の耐久性や利用シーンに対する配慮が、トラックを長く安全に使うためのポイントです。

平ボディの床高を見極めて現場の効率アップ!

出典:バディトラック

平ボディを選ぶ際は、床高・用途・積載物・走行環境のすべてを確認し、現場に合った1台を見つけましょう。

まずは、バディトラックの中古平ボディ:販売ページで在庫や仕様をチェックしてみてください。床高や荷台寸法、積載量など、現場で使いやすい1台を見つけるためのポイントも確認できます。

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