【徹底比較】用途別:現場で“本当に使える”平ボディを選ぶためのサイズ・高さ・荷台を解説

平ボディは住宅建材・農産物・イベント会場のステージ機材・引っ越しの荷物とあらゆる現場で使われているトラックです。だからこそ何を運ぶか?どこで使うか?という現場の条件に合わせて選ばないと「使いづらい」「すぐ劣化した」といったムダやトラブルにつながることもあります。
今回の記事では
「どのタイプが現場に合うのか」「床の高さで作業効率はどう変わるのか」「荷台仕様で劣化は違うのか」を、実際の使われ方や用途別にわかりやすく解説します。
現場で本当に使える”平ボディ選びのヒントにお役立てください。
平ボディとは?

出典:バディトラック
平ボディは、荷台の上に屋根や壁がない“むき出し”の構造が特徴のトラックです。
荷台のまわりは「アオリ」と呼ばれるパネルで囲まれており、これをパタンと開け閉めすることで、側面や後方からも自由に荷物を積み降ろしできます。
荷物の形状を選ばずに積載できるためフォークリフトでの横付け積みや、クレーンを使った上からの吊り上げ、手作業での積み降ろしにも対応できるため、資材搬入や現場作業の効率を大きく高められます。
平ボディのサイズ比較
「平ボディ」とひとくくりに言っても、2トン・4トン・増トン・10トンとサイズが変われば、積める荷物・通れる道・必要な人手まで、大きく変わります。
現場によっては高さ制限があり、平ボディでしか入れないというケースも少なくありません。
選ぶポイントは、「どれだけ積めるか」「現場に入れるか」搬入条件に合うかどうか”を基準にしたサイズ選びが重要です。
※記載の寸法は一例です。車種や幅(ワイド・標準)、ボディの形状(ショート、ロング)などによって、多少前後します。
2t:小型 平ボディ【車体・荷台寸法】

小さいながらも2トンの荷物を積める平ボディトラック。
荷台の高さが低く、アオリを倒せば人の手でも積み降ろしがしやすい高さです。
フォークリフトがない現場や、狭い納品先にも対応できます。
現場の軽量鉄骨材から農作物のコンテナ、大型家電の運送まで、幅広く使うことができる小回りと手作業のしやすいサイズです。
4t:中型 平ボディ【車体・荷台寸法】

4トン平ボディはしっかりとした長さと幅を備えつつ、中、長距離運送でも活躍しています。
特に、建築資材・家具・大型家電など、サイズも重量もある荷物を一度に運びたい現場で重宝されています。
さらに、フォークリフトによる積み降ろしを多くしている・荷台サイズであるため、パレット輸送や資材の横付け搬入にも対応しやすいのが特徴で長尺物やパレット積みの効率も向上します。
サイズに加えて荷物の積み方や搬入先の条件に合った仕様かどうかもあわせて確認することが大切です。
6t〜8t:増トン 平ボディ【車体・荷台の寸法】
※6t車の寸法になりますが、車種により寸法が前後します。

6〜8トンの増トン平ボディは、「4トンでは積みきれない」「でも大型トラックでは取り回しが悪い」といった現場にぴったりの1台です。荷台の長さ・幅ともに、建材や重量物を多く積む現場で頼りにされるクラスです。
フレームの強度も強化されているため、鉄骨やコンクリート製品など、1つ1つが重い資材の輸送にも対応できます。
また、積載量アップによる回転効率の向上が期待できるため、運搬回数を減らしてコスト削減を図りたい現場にも向いています。
10t:大型 平ボディ【車体・荷台寸法】

10トンクラスの大型平ボディは、サイズのなかでも最大の積載量と荷台寸法になります。
建築やインフラ工事など、大型で長尺の荷物を扱う現場では、このクラスが活躍します。たとえば、建物の柱や梁に使われるH鋼・I形鋼といった鉄骨材、大型機械、丸太や角材など、一般的なサイズのトラックでは積みきれない荷物も一括で運べます。「長尺で重量がある」「クレーンでの積み下ろしが多い」という用途であれば、10トン車を選ぶことで効率と安全性が大きく変わってきます。
ただし、荷台寸法だけでなく、床の高さ・アオリの素材・装備の有無など、他の仕様も選定には重要な要素です。次の項目もあわせて確認してみてください。
荷台の床の高さ(床高)の種類
トラック選びのなかでも、「床の高さ」は平ボディに限らず、どんな形状でも見落とせないポイントになります。
現場で「人が積むのか?」「フォークを使うのか?」「悪路は大丈夫か?」といった判断の軸になるのが、この「床高」です。
荷台の高さは、大きく次の4種類に分けられています。
1.超低床平ボディ(高さ780mm前後)
地上から荷台までの高さが、最も低いタイプの平ボディトラックです。
小口径のタイヤを装着することで、荷台の高さが低くなり、積み下ろし作業の負担が軽くなります。ただしタイヤが小さいぶん、その反面、タイヤが小さいことにより、路面の凹凸や振動が車体に伝わりやすく、運転中に揺れを感じやすいというデメリットも。
とはいえ、短距離の運搬や手積みが多い業務においては、高い作業効率を発揮します。
2.全低床平ボディ(高さ840mm~955mm)
前輪と後輪ともに、同じサイズのタイヤを使っているのが「全低床」です。
荷台の高さは、超低床より少し高く、高床よりは低い、ちょうどその中間にあたるタイプです。
そのため、特定の用途に限定されず、さまざまな現場で扱いやすいことが特徴です。
タイヤのサイズが前後で同じなのでスペアの種類も1本で済み、タイヤの摩耗を均等にするローテーションもしやすく、メンテナンス費用を抑えられるメリットもあります。
3.低床平ボディ(高さ790mm~955mm)
中型〜大型平ボディで多く使われているタイプです。低床タイプ同様、小さめのタイヤをトラックの車体に組み付けて、荷台が地面に近づくように作られています。またダブルタイヤ(後輪車軸に左右2本ずつ装着)にすることで強度を確保し、重心も低くなるため高床よりも荷崩れを起こしにくいのも特徴です。
4.高床平ボディ(高さ925mm〜1,100mm)
高床平ボディ(高さ925mm〜1,100mm)
地面から荷台までの高さが、最も高いタイプで大型トラックに多く採用されている仕様です。大きなタイヤ(大口径)を装着していて、走行中の安定性が高く、振動や路面からの衝撃が荷台や運転席に伝わりにくくなっています。
荷台までの高さがあるので、手積み・手降ろしには不向きですがフォークリフトやクレーンでの積み下ろしには、適しています。
重量物や長尺物の運搬、中〜長距離輸送でも安定した走行性能を発揮します。
【用途別】アオリの種類

出典:バディトラック
鋼(鉄)製のアオリ
鋼(鉄)製のアオリは、とても頑丈なため鉄骨や機械部品などの重くて硬いものを運ぶ運搬には最適です。
ただし他の素材と比べてかなり重く、大型では男性1名でも側面のアオリの開閉は危険なこともあります。
サビやすい性質があるので防錆スプレーを使ったり、こまめに予防をするようにしましょう。
ステンレス製のアオリ
ステンレス素材は雨や湿気にさらされる現場でも劣化しにくいのが特長です。そのため、海沿いや雪の多い地域、食品・水産関係の運搬など、「サビてはいけない」現場で選ばれる材質です。
木製のアオリ
最近では少なくなりましたが、木製のアオリを使っている平ボディも存在します。
メリットとしては、錆びないことと柔軟性があることでしょう。さらに、金属製のアオリに比べて滑りにくいという特徴があり、壊れやすいデリケートな荷物を運ぶ際には他のものよりも適しています。
アルミ製のアオリ(アルミブロック)
アルミ製のアオリの平ボディトラックの形状のことを「アルミブロック」といいます。
軽さと扱いやすさが特長です。アオリの開閉がしやすく、女性スタッフや年配の方が多い現場でも作業負担が軽く済みます。手積みの荷下ろしが多い建材配送や、比較的軽量な荷物のルート配送など現場でも導入例が多く、使い勝手のよさから選ばれています。
ただし、鉄やステンレスほどの強度はないため、鉄骨や重量物の積載にはあまり向きません。
荷台の床板|現場に合わせた選び方
平ボディの「床板」選びは、運ぶモノの種類・重さ・作業方法で使い勝手が大きく変わります。トラックの床材は「どれも同じじゃないの?」と思われがちですが、何を載せるか・どれくらいの頻度で使うかによって、向き不向きがハッキリ分かれます。
積み荷の種類によっては、床材の選定を誤ると荷崩れ・滑り・傷つき・腐食といったトラブルの原因にもなりかねません。
大きく分けると、床材には「木板」「鉄板」「アルミ板」の3タイプがあり、荷物の性質や、現場の作業スタイルに合わせて選ぶことがポイントになります。
荷台床材|用途別の種類
▪️木材
特長:軽量でクッション性があり、荷物への当たりがやさしいのが特長です。滑りにくく、積み荷の固定もしやすい反面、湿気に弱く、長期間の使用や雨ざらし環境では劣化が早まる傾向があります。
適した用途:農作物・段ボール・機器などの軽量で壊れやすい荷物に向いています。仮設材の一時搬送などにも多く使われます。
▪️鉄板
特長:高い耐久性と耐荷重性能を持ち、フォークリフト、クレーン積みによる荷役作業にも適しています。部分的に縞鋼板を使用した場合でも、接触面に強度と滑り止め効果を持たせることもできます。
ただし鉄板は素材として重くなるため、車両の自重増加への影響にも注意が必要です。
適した用途:H鋼(鉄骨材)・仮設資材・重機の運搬。耐久性と強度が求められる現場での使用に適しています。
▪️アルミ縞板
特長:軽量で錆に強く、荷室全体の軽量化になります。表面に凹凸があり、水はけや汚れ落ちもよいため、清掃しやすく衛生面を求められる現場にも◎
住宅資材輸送にも多く採用されています。ただし鉄板と比べると強度はやや劣ります。
適した用途:住宅設備・水回り資材など、軽量建材の輸送。イベントや展示会の資材搬入など。
荷台の床材は作業効率や安全性に直結する重要なポイントです。使用環境や積み荷に合わせた素材を選ぶことで、現場のトラブルを防ぎ、作業のしやすさにもつながります。
【現場を楽にする】テールゲートリフター(パワーゲート)
重い荷物を何度も持ち上げる、そんな作業をボタンひとつでグッと楽にしてくれるのが「テールゲートリフター、通称:パワーゲート」です。
フォークリフトが入れない場所や、台車での積み降ろしが多い現場では、平ボディにパワーゲートが付いているだけで作業スピードが格段に上がります。
使う現場と荷物の形、運び方に合わせた最適なタイプを選ぶことで、積み降ろしの効率と安全性も大きく変わります。
垂直式パワーゲート(昇降重視)

出典:バディトラック
特徴: 荷台が真っ直ぐ上下に昇降。リフト自体が安定しやすく、重量物の積み下ろしに強い。
向いている業種・現場例
・工場出荷品の納品(製造業)
・鉄骨や仮設材などの搬入(建設業)
・ガスボンベなどの配達
こんなトラブル例:
納品先の段差が激しくて地面まで届かず再搬入に……というミスも。
アーム式パワーゲート(地形対応)

出典:トラック協会
特徴: アームが上下に昇降させるだけでなく、傾斜をつけてスロープ状のようにすることも可能で地面との段差や傾きに柔軟に対応。荷台と地面に高低差がある現場に向く。
向いている業種・現場例
・店舗への納品(小売業)
・台車で荷下ろしするような段差の多い納品先
・重機などの重量物を積み込む現場
こんなトラブル例:
✓ スロープ状の傾きに慣れていない作業者が台車を操作し、バランスを崩して商品が転倒する。
格納式・床下格納式パワーゲート(広さ重視)

出典:バディトラック
特徴: 使用しないときは床下に格納が可能。格納式リフター(床下格納式)は、アーム式や垂直式に比べて「台の広さ」がやや大きめに設計されていることが多いです。
向いている業種・現場例:
・展示会やイベント用機材の搬入(イベント業)
・内装業/家具配送
・幅広い荷姿に対応する配送業
こんなトラブル例:
✓ 重量物の使用に耐久性が足りず不具合や破損につながったケースもあります。
平ボディ|主要5メーカーラインナップ:比較表
メーカー | 小型(2t) | 中型(4t) | 大型(10t) |
いすゞ | エルフ | フォワード | ギガ |
日野 | デュトロ | レンジャー | プロフィア |
三菱ふそう | キャンター | ファイター | スーパーグレート |
UDトラックス | カゼット | コンドル | クオン |
トヨタ | ダイナ | ― | ― |
現場で本当に“使える平ボディ”を選ぶなら
平ボディは、積む荷物の形・重さ・運搬距離によってベストな仕様が変わります。
だからこそ現場に必要な1台を見極めることが、輸送効率や作作業のしやすさに直結します。とくに人手不足が加速し、運賃競争が激しい今、ムダなく運べる車両選定が利益を左右します。
バディトラックでは、小型〜大型まであらゆる形状の「秀逸品質な中古トラック」を常時100台以上取りを揃えております。お客様の業種や用途に合わせて、最適な1台をご提案いたします。どうぞお気軽にご相談ください。